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「二つ目の理由相当くだらないじゃない!」
「なんだと! 俺からすれば九割三分は二つ目の理由なのに!」
非常にくだらない理由からは、非常にどうでもいい発言しか出ないのか。
レイルはかっこよさを求めたのだとほざく。
「九割三分って中途半端だし割合が大きすぎるでしょ!? あとその数字はどうやって出したの!?」
中途半端な割合の算出方法とは何なのだろうか。
別に割合の出し方などどうでもいいが。
「それについては山より低く、海より浅い理由があるんだ!」
「つまりたいした理由じゃ無いってことね!」
もともと割合以前に発言自体がたいした理由がなかったため、割合に理由を求めてもどうしようも無いのでは。
「俺の言う理由がどうでもいいわけ無いだろ!」
「じゃあどんな理由があるのよ! 言ってご覧なさいよ!」
売り言葉に買い言葉ではないが、この激しい応酬を誰も止めないのはなぜだろうか。
面白がっているのだろうか。
「簡潔に言えば何となくだぁあああ!」
「結局浅いじゃ無いかぁあああ!」
中味が全くない会話であった。
レイルは勢いでしゃべっているにちがいない。
「ああそうか」
急にレイルは普通のテンションに戻る。
周りを置いてきぼりにするような発言に、シャーネは拍子抜けしてしまう。
「いや、急に普通に戻らないでよ。なんとなく反応に困るじゃない」
しかし、彼女はあのテンションを保ち続けるつもりだったのだろうか。
むしろ困ったような顔をしている。
「そこをなんとかするのが漫才師の腕の見せ所だよ」
そう言って何故か足を叩くレイル。
恐らく漫才師であったとしても無理であろう。
無茶ぶりもいいところである。
そもそも彼等は自警団員である。
「いや、まず私漫才してるつもりないし」
当然の事ながら、シャーネは漫才をしているつもりはなかった。
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