1.フツーの日常

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1.フツーの日常

―2012年―21世紀、日本。 まだまだ肌寒い3月の夕方、日は傾きかけ、空には雨雲が見える。そんな天気が良いとは言えない以外は普通の風景の少し駅から離れた商店街のアーケード街を4人の高校生が気だるそうに歩いていた。 「あぁっっ!!」 突如、髪を逆立たせた集団の真ん中を歩く少年が、悲鳴にも近い叫び声をいきなり上げた。 「太陽!!いきなり富士山みたいにデカイ声だすんじゃねぇ!!」 すかさず右隣を歩いていた他の学生たちより頭一つぶん抜けて大きな少年が反応を見せる。 「いや、ヤバイヤバイヤバイって!!」 太陽と呼ばれた叫び声を上げたばかりの少年は、いま言われた事を気にもせず騒ぎ続けている。
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