銀髪男の来襲

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憐に続いて入った部屋は、担当教科部屋。 ここは現国や古典担当の先生方が使っている部屋で、全学年の現国、古典担当の先生がここを使っている。 他の先生は見当たらず、別の教室や職員室で食事を摂っているのか、憐が追い払ったのかは希良々の知るところではないが、二人きりなのは好都合。 存分に問い詰められる環境に感謝する。 掴みが肝心だと、ドアを閉めた瞬間に一発怒鳴ってやろうと意気込む希良々だったが 「希良々から誘ってくれるなんて、俺は感激だぞっ!!!」 と、閉めきる前に憐が抱きついてきた。 「ななな……」 ギュッと抱き締める憐は、希良々が青ざめているのを知る由もなく、続け様に言葉を連ねる。 「もうね、午前中もずーっと希良々に触れたくて触れたくて仕方なかったんだぞ」 更に力を込める憐。 「はな……」 「希良々……ここでする?」 憐に耳許で囁かれ、身の危険を超絶感じた希良々は、力の限り憐を突き飛ばす。 突き飛ばされた憐は、背後にある机に後ろ手に手をついて倒れるのを防いだ。 「何考えてんのよ、あんたはっ!!」 「何って……。言わせるなよー」 ポッと頬を赤くする憐に、希良々の眉間に青筋が浮かんだ。 .
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