虹色の国

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目覚めたのは頭をコンコンと叩かれたから。 のっそり顔を上げると、さっきの本を片手にしたあんたが仁王立ちで立ってた。 何か言いたげに俺のこと睨んでたから先手を打って、その本おもしれーの?って聞いた。 他に言うことは無いのって言うあんたに、だって授業中気付かなかったんだろって返した。 そう、まわりの奴らはすでに喋ったり弁当食ったりしてる。昼休みだ。 授業中起こさなかったのは、本に夢中で気付かなかったからだろって言ってやったらみるみる顔がふくらんだ。おもしれー奴。 あんたが負け惜しみの小言を言って戻ろうとしたから、その背中になぁと声を掛けた。 何?と不機嫌そうに振り返ったあんたに、 虹色ってさ、どんな色? そう投げ掛けた。 あんたは目を見開いてた。どうやら俺の事は知ってたらしい。 少し迷ってから、あんたは質問で返してきた。 恋したことある? そう言われて一瞬ポカンとしてから、関係ねーだろって怒鳴ってた。 それくらいあったし、こないだまで彼女もいた。けどそんなこと言う必要はない。 でもあんたは今の反応で察したんだろう、構わず続けた。
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