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あかいろ・だいだいいろ・きいろ・みどりいろ・あおいろ・あいいろ・むらさきいろ…これが虹の七色、知ってる?
そう言われた俺は黙ってそっぽを向く。皮肉にしか聞こえなくて、自然と眉間に皺が寄ったのを感じる。さっきカッとなって上がった熱が一瞬で冷えきった。
そんな俺に、あんたは言ったんだ。本…というよりは、絵本を読み聞かせる母親のような声で。
『あかいろ』はね、好きな子に想いが伝わらない時、付き合ってる子にわかって貰えなくて苛々してる時の色よ。
好きだから、理解してほしい、共感してほしい、そんな時に抱く感情の昂ぶり。――それは激紅。
『だいだいいろ』は、好きな子の事を考えてうっとりしてる時の色。
気が付いたら好きな子のことを考えてて頬が緩んでたり、傍にいるだけで暖かい気持ちになれたり。
――それは橙酔。
『きいろ』は、想いが伝わったり、優しくされたりして嬉しい時の色。
告白してオッケーしてもらえた時なんてまさしくそうじゃない、そんな溢れんばかりの喜び。
――それは歓黄。
『みどりいろ』はね、ちょっとした事で一喜一憂している自分が嫌になった時の色かな。
勝手に喜んで、勝手に塞ぎ込んで、自分は何やってんだろってウンザリする。
――それは碧易。
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