舞い上がる桜に紛れ込んだ

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「ひおちゃぁん、たすけてぇ!シュウちゃんがセクハラする~っ」 「てめぇ…桜歌…ふざけてんのか。誰がいつセクハラした?おい。」 「シュウちゃんいつもセクハラしてるもん。シュウちゃんのヘンタイっ!」 ブチッと何かが切れた音がしたような気がするのは、僕の気のせいではないだろう。 桜歌のやつ学習能力ないな。 とりあえずまた五月蝿くなりそうなので布団に再度深く潜り込む。桜歌のせいでいつもなかなか眠れないから寝不足だ。 「……ほぉう…?…そうか。ヘンタイたぁ、言ってくれるなぁ…桜歌…?」 「……あ……。」 聞こえる声色が低くなった。しかしそれは先ほどまでよりも随分落ち着いた声で、これもいつものことなので布団から出ずとも秀弥がにっこりと笑みを浮かべていることは想像できる。 思わず見惚れるであろう綺麗な笑みで微笑んでいるはずだ。 …ただし声からは黒いオーラが駄々漏れなので余計に怖いのだが。 「…そうか…桜歌…。そんなに言われたら希望に答えてやらねぇとな…。」 「…いいいい…いいよいらない!シュウちゃんごめんなさいぃぃぃ」 「何を謝ってんだ?謝るようなことを言った自覚があるのか?…まぁどっちにしろもう遅いけどな。」 「…や…やだやだやだぁ~!ごめんなさいぃぃぃ!たすけてひおちゃぁぁぁんん!」 キラキラと光輝くような笑みで微笑んでいるだろうシュウの声が聞こえたと同時に桜歌の悲鳴が部屋に響きわたり身体の上に何かが飛び付いてきた。 もちろんそれも日常茶飯事なので僕はそれを―…逃げ込んできた桜歌を溜め息をつきながらきちんと受け止め起き上がったのだった。
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