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何故、照明を点けたり、消したりを繰り返すのか。
それは明るい時、暗い時、どちらにも順応してしまわないように。
暗闇に慣れそうになったところで照明を点け、明るさに慣れそうになったところで照明を消す。
それは暴動など起きないようにするため、という名目だが、実際は『異形』達の行動を制限させるため。
どちらにも順応できなくなったシェルター内にいる『異形』達は、視る力が極端に落ちている。
なら、代わりに聴覚や嗅覚が鋭敏なったかと言えば、それもない。
それどころか使い道の無い嗅覚や聴覚も衰えている。
極端に視る力は落ちているが、完全に失ったわけでは無い。
脳には無限の可能性がある……かもしれないが、あったとしても、単に落ちただけの能力を補おうとするほど脳は万能ではないし、それをしたければ訓練が必要になる。
無限の可能性があるにしても、それは可能性であって、都合よく発揮されるものではないのだ。
運動することもないので体力も落ちている。
つまり、全ての能力が衰えた。
『異形』達は照明が点いたら起きて、食べて、照明が消えたら、また寝る。
それだけを繰り返している。
生きているのではなく、ただ生かされているだけ。
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