【 一 】

2/28
前へ
/497ページ
次へ
「死にたくなければ、これを飲め」 そう言ってきた男の顔は二つ有った。 本来ある顔の横にもう一つ、首と左肩の中間辺りから斜めに生えている。 男の手の平には何の変哲もない、小さなカプセルが乗っている。 これを飲めば生きられる。 どんな怪我をしても、日数が経てば治る。 例え、腕がもげようと、足がもげようと、内臓が破裂しようと再生してくる。 病気になることも無い。 まさに不死と思えるような体になれる。 だが、代償がある。 それは……『異形』の姿になること。
/497ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10002人が本棚に入れています
本棚に追加