10002人が本棚に入れています
本棚に追加
未だにテレビの中で、『何故、こんな事になったのだ?』と青筋を立て、必死の形相でやかましく喚く人間達。
『何故、こんな事になった?』だなんて、よく言うものだ。
その表情は、まるで本気で憤っているようにすら見える。
あまりにも迫真の演技過ぎて、笑いがこみ上げて来る。
こうなると予期しておきながら、金を稼ぐ為のネタとしてしか使わなかったのはあんた達だろ。
口先だけで、本気で止めようなどとはしていなかった。
テレビの前では激しく批判しておきながら、その裏では金をせしめ、全てを黙認していた。
どいつも、こいつも、偽善の仮面を被った詭弁者共だったんだ。
でも、それに気付いた時には全てが遅すぎた。
『異形』の姿をした人間達が町中を闊歩し始めていた。
テレビの中のこいつらが、『異形』の姿であればまだ少しは信じられるが、こいつらは『異形』の姿などしてはいないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!