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大切なものを失う。
現実を突きつけられた時、人は気付く物差しを忘れてしまう。
死にたい思いを抱き締めて歩くこともある。
生きる意味を失うこともある。
笑うことも泣くことも出来ず、忘れてしまうことを望む時もある。
それらを求めてしまう時間がある。
朽ち果て失うことは哀しいが、誰もどうすることも出来ないのだ。
しかし、それは誰もが辛い思いをして得たもの。
いつの時代にも伝えていく大切な出来事。
運転する車は渋滞に飲まれスムーズに流れない。
まるで今から訪れる哀しい出来事を遮っているかのように…。
フロントガラスから夕暮れの陽射しが俺の目を突き刺した。
痛いくらいに眩しい。
奇妙な夕暮れの赤が肌から透き通る血液を連想させている。
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