先 生 の 幼 少 期

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「そのあと管を外されて親から事を聞かされたんだ。」 『もしかして…』 「病院運ばれた時は意識不明の重体で肋骨を複雑骨折してたらしい。でも次の日おふくろが俺の名前を呼ぶと手をピクって動かすんだって。そして親はずっとずっと呼び続けた…。」 『ちゃんと聞こえてたんだね。…目を覚ます前の事は覚えてる??』 「覚えてるよ。駅のホームに立ってた。どこの駅か分からないけどさ、40歳くらいのおばさんも隣に立ってた。そしたら電車っていうか…汽車なのかな。SLみたいな汽車。」 『SL??』 「そう。俺見たことなかったから、ただスゲーなって思ってずっと見てた。そしたらさ、隣に立ってたおばさんは汽車の中に入って行った。そして俺も乗ろうとしたんだ。」
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