僕の就職日記

二年前

2008年春
僕は高校を卒業した。
人より遅く卒業した。
遅くといっても同級生と同じ日には卒業式をした。
僕と同じ日に中学を卒業した人達はもしかしたら今頃何処かの短大や専門学校を卒業しているかもしれない。
僕は人より遅く卒業した。

卒業はしたものの進路が決まっていない。大学に行くには学力が足りない。偏差値40からの大学受験と唱っていた予備校があったけれど本気でそこに通いたいと思った時もあった。でも僕は偏差値40も無い。
専門学校へ行くお金も無かった。うちは貧乏なのだ。だからもし僕に学力があっても予備校も通えないし私学の大学なんて到底無理なのだ。
必然的に就職となる。それに今まで親に心配を掛けた。僕が就職して早く親に楽をさせてあげたい。少しながらそんな気持ちもあった。
卒業して就職活動を始めたのだがすぐに頓挫してしまった。約50社に送った書類は全て選考落ち。正確には55社なのだが。僕は欽ちゃんが好きでコント55号にあやかりその数にした。一度に55社の書類を送るとさすがに疲れた。三日で全ての履歴書を書き終えた。おかげで腱鞘炎になった。結果が出たのがそれからだいたい一週間から十日後だった。全ての会社から書類が返って来た。僕はあまりの出来事で心が折れた。その後一週間程はクヨクヨと考え続けた。履歴書に修正液使ったのが駄目だったのかスナップ写真を切り取って貼り付けたのが悪かったのか。そして以前の僕に戻ってしまった。