二年前

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それからは決まって正午過ぎに目を覚ました。目を覚ましても直ぐには身体を起こさなかった。 数時間蒲団の中で蛹になった後にゆっくりとその繭を剥す。台所に行きスナック菓子を食べ再び繭の中に戻る。 そんな生活を続けていた。臆病になっていた。元々臆病な性格なのだか更に臆病になった。これ以上傷付きたくない。硝子の心が障子紙の心になっていた。
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