四年間

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四年間

僕は通信制の高校を卒業した。通信制高校は単位制で僕の場合は四年で単位修得した。 通信制といっても月に何度かは登校日がありその時に先生と面談し勉強や進路の相談をした。 とりあえずは毎日寝てばかりの生活から日中は起きている人間らしい生活になった。 朝食と夕食は両親と一緒に摂る様になった。父と母の笑顔を見る機会が増えた。僕も久し振りに笑顔になった。 先生と面談する事はリハビリになった。初めのうちは母もパートを休んで学校まで付いて来て、一緒に面談をした。一対一で人と話すのも一人で電車に乗るのも怖かった。また自宅から駅、駅から学校までの道程も億劫であった。学校はJRのターミナル駅から各駅停車で二つ目の駅にあり、その駅から五分程歩いた予備校のビルに入っていた。僕の学校はその予備校が経営していて、ビルの三階フロアー2/3が高校の敷地であった。高校内には五つの個室が有り個室は六畳から八畳くらいのスペースはあった。そして残りが教員達の詰所となっていた。僕の担任は坂本と言う、年格好は50過ぎで背は低く足は短い男性であった。坂本先生の口から出て来る台詞は臭かった。まるで自分が学園ドラマの教師であるかの様であった。
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