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「やっと終わった。オレンジ! 敵は?」
「あらかた片付いてる」
「……相変わらず、ブルーは早いわね。嫌になっちゃう」
それから数分後、全武装解除が終了する。全軍の武装解除に要した時間は、僅かに十数分程度だった。
「帰るか」
「そうね。長居は無用だわ」
ブルーが提案し、パープルが同意したその時だった。
「…………待って」
オレンジは引き止める。そして今までの無表情を崩した。
「ボクたちは、やってしまったかもしれない」
「? 何をよ?」
「殺人」
オレンジはやってしまったという表情をしていた。ブルーとオレンジの顔が、青くなる。
「死んで……いるのか?」
ブルーは問う。だがオレンジ以外には、どこで殺人したのかも分かっていなかった。
「おそらく。あれ」
オレンジは指差す。ブルーとパープルはその方向を見る。
一人の少女がいた。その少女は泣いていた。その少女の足元には、おそらく少女の両親だったであろう“物”が、転がっていた。
「────ッ!!」
ブルーは息を飲む。パープルは目をふせる。オレンジはゆっくり、少女に近づいた。
そもそも、今回の戦場がいけないのだ。と、後のブルーは言う。だがこれは、ブルーの言い訳に過ぎなかった。
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