北校舎屋上。

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「なぁ。本気の本気で好き?」 首を傾げて顔を覗き込んでくる駿。 「……。」 「なぁ。フラれても好き?」 「…。」 「なぁって。」 考えてみた。 まだ好きかどうか。 空を見上げるとあと少しで雲が太陽を隠しそうだった。 「…好きだ。フラれても好きだ。 というかよくわからないけど、好きより…好きだ。」 ドクン、と心臓が音をたてる。 彼女を思い出すだけで、幸せな気持ちになる。 フラれた今、そこに少し悲しさが混じるのだけども。 「ふーん。名前何て言ったっけ?」 「高坂夏。」 「高坂夏ね。」 携帯をいじりながらそう繰り返す。 こいつは… 色々聞いて来たと思えば携帯いじって… 興味ねぇなら黙ってろ!
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