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セツは使者に向かって走り出し、斬り掛かる。
使者は舞うように振るわれる刀を軽々防ぐ。セツは舌打ちしながらまた距離をとる。
『…追撃する気無しっすか』
使者は何もする事無くただそこに立っている。
『なめてるのか…。殺す気が無いのか…』
ヴァルは忌ま忌ましそうに使者を睨みつける。
『殺す気が無い…そうか!』
何か気付いたのかセツは声を上げてヴァルとアイルに視線を向ける。
『この使者から殺気が全く感じられない!』
セツの言葉にヴァルも何かに気付いた様子で辺りを見ていた。
『よく見ると殺されたのは教師だけで生徒はただ気絶してるだけのようだな』
『ホントだ…』
アイルは倒れる生徒を見るがその殆どが軽い傷で誰も重傷を負ってなどいない。
『さて、どういう事っすかね…』
『さぁな。俺達を捕らえたいのか、それともただの気まぐれか…』
セツとヴァルは顔を見合わせる。二人は頷き合い、同時に走り出す。
『アイル!チャンスが出来たら魔創チップで攻撃しろ!』
『チャンスは俺とミッキーで作るからヨロシク!』
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