プロローグ

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空は赤く染まっていた。 既に闇に包まれている時間帯のはずなのに…。 大陸が激しく燃えていた。 『ゼェ…ゼェ…』 燃え盛る木々の中、呼吸を乱しながら青色のメイルとアーマーを着た兵士が一歳にも満たないであろう子供を抱き抱え走っている。 『あうー』 事情など知るよしも無い子供はまるで玩具でも見ているかのように目を輝かし空を見つめていた。 『…子供とは無邪気なものですね』 兵士は苦笑する。 『必ず…君を守りますからね。約束しましたから…』 兵士は笑顔を子供へと向け、限界であろう足に鞭を打ち走る。 『あー…』 子供は赤く染まる空を目に焼き付けているのだろうか、口を開けたまま見上げていた。 兵士は岸部につけてあった船に乗り込み発進させる。 燃え盛り煙りが上がる大陸を兵士は唇を噛み締めながら見ていた。 その唇からは血が滲んでいた。 この時、新たな世界の1ページがめくられた。
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