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一年生達は何が起きたか理解できず、まじまじと『何か』を見ていた。
すると、『何か』の近くに立っていた教師は顔が青ざめ、尻餅をついて叫んだ。
『し、使者だぁああああ』
教師の金切り声は室内に響き渡る。
一年生はまだ理解出来ない。
叫び声を上げた教師の近くにいた『何か』、いや『使者』は教師にゆっくりと近づいて行く。
ガラスの破片を踏み砕き、一歩、また一歩と教師に近づく使者。
『ひ、ひ…ひぃ…』
恐怖に支配された声を漏らし、尻餅をついたまま後退りする教師は何とも情けない。
使者は右手に持つ刀をゆっくりと振り上げる。
『や、やめ…』
何の躊躇いもなく振り下ろされた刀は、教師の左肩から腹に一本の斬撃を残す。
赤い血しぶきが噴水の様に飛び、使者のコートを血でコーディネートする。
血しぶきは辺りに飛び散り、一年生の一人の顔に付着する。
『き…きゃあああああ!』
一人の生徒の叫び声が、理解できなかった一年生達の脳を刺激する。
要約理解できた一年生は目の前で起きた現実を見て我を忘れ取り乱した。
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