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キミの髪の毛が
サラサラとなびく。
空を見上げるその横顔は
なんだかとてもキレイだった。
わたしが彼の手に触れると、
そっとこっちを見て
にっこりと笑った。
彼の名前は工藤 小弓。わたしは勝手に弓くんと呼んでいる。
長めの黒髪が少し
印象的なこの人が、
わたしの好きな人だ。
「弓くん」
『なぁに?』
「あのね」
次の言葉を言おうとした、
そのとき。
「小弓~!!」
手を振りながら走って
くる短髪の少女。
『あれ、ボクの彼女なんだ!』
うれしそうに笑う彼の顔が少し切なかった。
『またね』
そう言うと、彼はベンチから立ち上がり、
彼女と共に公園を去った
あーぁ。
また言えなかった。
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