一章

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一度動いたらそれは酷い。悲鳴は勿論の事、転校生の容姿が良かったからなのだろう。 ガタイのいい、見るからに暑苦しい攻めな野郎を中心に、一般的にチワワと呼ばれる可愛い受けの奴等も騒ぎだす。 もはや収集は不可能と言っだ。 それどころかますます悪くなる一方である。  ため息が吐きたくなるこの場の収集を求める事を諦めながら、隣で暴走中であろう愛を視界に入れない様に必要ない努力をし、騒ぎの種の転校生に再び目を向けた。 自覚がないのか、自分の容姿がよくなり、良い意味で騒がれているのに気づかないで、まだ自分に文句があるのかと言いたい事が顔を見ただけで伝わる、とても苛ついた不機嫌な顔をして転校生が立っている。  個人的には無自覚も天然も好きだ。けどそんなのが許せる範囲は、残念ながら俺は2次元にしか持ち合わせていない。 それどころか、3次元は嫌いなものにしかならない。 勿論、ある程度なら構わない。けど、度の過ぎたものは苛つく対象でしかない。 つまり何を言いたいかと言うと、転校生は好まないと言うことだ。
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