一章

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それで話を元に戻すけれど、なぜ愛が騒いでいるかと言うとまだ入学してから間もないこの時期に転入生が来るらしい。 それだけでも珍しくあるのに、それに加え学年がついこないだ入学してきた1年生。 「こんな時期に、それも1年だなんて・・・王道転校生キター!!」と、まだ会っても居ない転校生に期待と淡い妄想を膨らませ騒いでいる愛を見て思う事は1つだけ"面倒事は起こさないでくれ" と言う思いだけである。 「ねーねー樹壱ー!王道くんが来たら一緒に総受けにしよーね」 嗚呼、現実とは甘くない。早速問題発言だ。おい愛。何故俺に向かってそんなめんどくさいこと言ったんだ。 満面の笑みが憎らしいを越してむしろ清々しく感じる。 「嫌だ。めんどくさいし眠い」 そう言いながら欠伸をした時に生理的な目元に浮かんだ涙を服の袖で拭く。 「でもさー、せっかく萌えイベントが発生するんだよー?それを見るために俺等この男子校に来たんでしょーが!つか樹壱の涙目可愛いなぁ」
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