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「え、だ、だってちゃんと目覚ましセット…」
「杉先生、今日何曜日でした?」
「げ、月曜日ですよ…何言って」
「とりあえずカレンダー、ご自分で確かめられたら如何ですか?」
ロッカーに貼られた小さなカレンダー。
以前高須が便利だから、と勝手に貼って行ったものだ。
「もう…だから今日は月よ………あれ?」
「昨日まで、土、日、月、と三連休でしたけど?」
杉の動きが止まった。
「じ、じゃあ…目覚ましが鳴らなかったのは…」
「貴方が曜日を間違えてセットしたからでしょう?」
「松尾せんせが止めたんじゃなくて…?」
「私は止めてません」
グイ、と唇同士が触れ合う近さまで顔を近付けてやる。
「あ、あの…松尾せんせ、近…っ」
「散々人を疑っておいて、逃げようなんて思ってませんよね?」
「え…ちょ…待…っ」
「残念ですが待ちません。いい加減諦めておとなしくして下さい」
「か、鍵っ…!」
「心配いりません。ちゃんと掛けました」
「いつの間にっ!」
「つい先程、ね。…さぁ、楽しませて貰いましょうか…虎」
ニヤリ、そんな表現が相応しい笑みを浮かべ、松尾は杉に唇を重ねた。
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