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目を見開きみちるを見るいつき。みちるは頬笑み話を続ける。
「言うと怒られちゃうから言わなかったんだけど…、お兄ちゃんからいつきちゃんの所に行きたいって言ったの。本当よ?」
「え、え…」
「それに私がいつきちゃんとこうして喋られるのはね、私が太一様にお仕えしているから。私がいつきちゃんにお仕えしていたら、私はこうしていつきちゃんと喋ることは出来ない」
「…え?」
「でもお仕えするって言う事は、ずっと一緒に居る事が出来る」
「……!」
「いつきちゃん、お兄ちゃんは変わってないよ」
「…ありがと、みちる」
勢いよく立ちあがり、駈け出した。取り残されたみちるは沈んでいく夕陽をぼんやりと見据え、笑みを浮かべた。入れ替わりに戸が開く音にみちるが振り向くと、太一が姿を現す。
「太一様…」
「…寒い中すまない」
「いえ、ご主人様のご命を果たすのが私の使命です」
「……」
「これから更に冷え込んできますから、戻りましょう」
「いや、いい」
「しかし…」
「…良い、暫く夕日を見たいんだ……お前と」
「はい…かしこまりました」
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