執事とメイドと生徒会

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生徒会室の扉を開けると、紅茶の入ったティーカップもスコーンも、あれだけ漂っていた甘い香りも全て片づけられていた。カップを洗う水の音が止み、ついで足音。 「いつきお嬢様……。先程は大変失礼を致しました。招待はお断りし、仕事を片付けた後皆様でどこかへ遊びに行きましょう、手配はお任せ下さ…」 「そんなのいいよ。茶道部のお茶会行こう」 「え…?」 「全部暁兄ィが私の為に考えてくれた事だもん」 「どう、されたんですか…」 「私ずっと暁兄ィに会いたかった。だから去年暁兄ィがうちに来てくれた時すごく嬉しかった。でも、ちっちゃいころの記憶と全然違って、ショックで、全部否定してた。でも暁兄ぃは暁兄ぃで…気付かなくてごめんなさい」 対面しあう二人。暁は膝をつき、視点をいつきにあわせる。距離が近くなったことで心臓が早くなる。互いに。 「お嬢様は覚えていらっしゃるか分かりませんが…小学校に上がる前の話です、私がいつきお嬢様の誕生日に何が欲しいかと尋ねた事がございます」 「…うん」 「貴女は少し悩んだ後、こう仰いました」 「「ずっと一緒にいてほしい」」
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