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暁が言うと同時に、いつきも同じ言葉を口にする。暁は驚きと、喜びの入り混じったような笑顔を浮かべる。
「覚えていて、くださいましたか」
「…ごめん、正直に言うと、今さっき思い出した」
「構いません、思い出して下さった、それだけで十分でございます」
暁はいつきの手を取る。突然の事にぴくりと反射的に動いてしまったいつきは頬を紅潮させ、顔を伏せる。
「それ以来、私はいつきお嬢様と共に居たいと思っておりました」
「やっぱキザだよ、暁兄ィ」
「そうかもしれません」
二人は笑い、
「…一緒に居てくれるの?」
「私は貴女だけの執事でございます。永久に」
暁はいつきの手の甲に唇を落とした。
夕暮れの中の生徒会室。
二人だけの、約束。
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