執事とメイドと生徒会

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私立聖クレスタ学院、有名企業の子息令嬢達が通う超有名な高校である。 豪華な校舎の最上階、その一番左奥には生徒会室があり、そこにはこの学院でも有名な生徒会役員達が居る。 「お待たせ致しました。本日の三時のティータイムのデザート、スコーンでございます」 見目麗しい長い黒髪の少女が銀色のカートを引き表れる。にこりと微笑みを湛えたその笑顔を見て心奪われない者はいないのではないか、そう学院では言われているこの少女の名前は氏家みちる(うじいえみちる)。1年で生徒会会計である。 「…また洋菓子か。そろそろ和菓子が食いたい…」 ぽつりと零したのは生徒会書記である厳陸寺太一(げんりくじたいち)。2年。古くから続く極道一家「厳陸組」の三男坊。切れ長の目に引き締まった肢体、落ち着きのあるその姿に確かに並べられるスコーンは不似合いだ。
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