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「いつきお嬢様、紅茶はそのように音を立てて飲むものではありませんよ…」
ずずずずずずず
「いつきお嬢様、それでは大海原財閥跡取りとしての品格が損なわれてしまいます」
「…うるっさいなぁ、わかったわよ」
渋々大人しく紅茶を飲み始めるいつきを見て微笑を浮かべ、暁はその側に控える。太一も静かに紅茶を飲み、みちるもその傍らに落ち着く。聖クレスタ学院生徒会はこの四人によって構成されている。暫くの談笑(?)の後、太一がぽつりと零す。
「そう言えば…暁、さっき何か言いかけていなかったか」
「いえ、何も…」
「暁兄ィ」
「…ですから、私は貴女の執事であり、みちるは厳陸寺様のメイド。この関係はどこへ行こうと変わりません、たとえ旧知の友であろうとそれは過去の話でしかありません、ですから――…」
暁が言い終わる前にいつきが口をはさむ。
「でも今、あの子たち来た時は普通だったじゃん」
「それは学院の私ですから」
「はぁぁ!?じゃあ昔から知ってる暁兄ィをあの子たちは見れて、私たちにはキザッたらしい、堅苦しいまんま接するの!?」
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