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「キザッ…!?」
固まる暁を横目に太一がため息を付き、おろおろと、心配そうにその有様を見守るみちる。
「あぁ…お、お兄様、いつきお嬢様…」
「もう放っておけ、いつもの事だ」
「でも…」
「あーもー!何でこんなことになっちゃったのよぉおおお!!」
いつきの絶叫が生徒会室だけでなく、学院中に響き渡る。
そもそも、先程いつきが言ったようにこの四人は幼馴染である。年齢に多少差があるものの、そんなものは関係ないくらい四人は仲が良かった。
ところが、暁が小学校を卒業した時、まだ四年生だったみちると共に、どこかへ消えてしまったのだ。後にいつきと太一は、暁とみちるの両親の経営していた会社が倒産したと知る。二人は氏家一家を探したが一向に見つからず、三年の月日が流れた。
そして、いつきと太一が聖クレスタ学院に入学が決まった頃、中学三年の秋ごろだろうか。二人の元に執事とメイドがつくことになった。要らないと主張したものの、いつきの部屋に来た執事、太一の部屋に来たメイドを見て二人は目を疑った。
「この度、いつきお嬢様の執事になりました氏家暁と申します」
「…氏家みちると申します。若輩ではありますが、精一杯太一様のお世話をさせて頂きます」
「「よろしくお願い致します」」
「「……はあああああああああああ!?」」
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