泥棒猫

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昼休みのせわしない学食で私とその女の周りだけが奇妙な沈黙が広がっている。 ジワジワと液体が浸透してきた。背中まである自分の自慢の長い髪が不愉快な物に変わり始めたので、無言でハンカチを出す。 それを見ていた女は火山だったら噴火しそうなほど真っ赤になった顔を更に赤くして、急にまくし立て始めた。
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