ロンギング

必要なもの

もぞもぞと私の爪先を弄ぶ。

「ツバキはほんとにどこもかしこも綺麗だなあ」

コウはこんな歯の浮くような台詞もよく言うけど、私がちっとも喜んでいない事には気がついていない。私の“容器”には自分の好むと好まざるに関わらない、ＤＮＡの混ざり合いが偶然産み出した物だから。

少しでも何もしてくれない両親の恩恵を感じたくない。