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「キノコ狩りの前に、ちょっと休憩しよか」
「あ、はい」
気が入っていないのがバレたか、と少し不安になったが、青年は構うことなく傍らの石に腰を下ろした。
私も座れ、と隣の空間をポンポンと叩く。
だけど、そこに座った場合、青年との距離が近すぎるので、私は荷物だけ置いた。
しーん。
会話が途切れると、広場の静寂に気づく。
鳥の鳴き声がしないし、風の音もない。川の水音も届かないようだ。
虫もここでは息をひそめることになっているらしい。
「……すごい」
私は、心からそう言った。
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