よそびと

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また沈黙。 ざわざわ、と木が鳴った。 時間軸に取り残されてしまったみたいな、妙で、不安で、それでいて甘美な気持ちだった。 「ここにずっと居たら、きっと楽だよ」 青年がそう呟いた。 さっきまでの素朴な感じではなくて、湿っぽくて温かい、腐葉土みたいな囁きだ。 そうだ。楽にちがいない。 「そんなことして、いいわけない」 私は幼い子供のようにしか、沸き上がる不安な気持ちを表現できなかった。 何故、不安なのかも、よく分からなかった。
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