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カカシかやじろべーのように、私は沈黙の中心に突っ立っていた。
まるで、極薄のガラスで出来たドレスを着せられているような気分だ。
悪くはない。
おそらく、凪を経験したらこんなものではなかろうか。
私は身体を動かさないように、ゆっくり首を回して周囲を眺めた。
傾き始めた太陽が木漏れ日を透してわかる。
落ち葉と若葉で覆われた地面がしっとりとした雰囲気をかもし出している。
何から何まで私の好みだ。
極薄のガラスを割りたくなくて、私は長い時間、そこに立っていた。
ゆっくり、太陽が沈んでいく。
暗くなってくる。
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