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「田舎としか言い様がないなここは」
目の前に広がる景色を見て、神矢はそう呟いた
「人が住んでいる所に文句言わないでください」
「それは悪かったな」
神矢に釘を刺したのは犬走 椛。神矢が失踪した那由多の痕跡を辿り行き着いた結界を抉じ開けた先にちょうど彼女が居たのだ。
今は那由多の情報を少しでも掴むため、那由多が訪れたことのある天狗の里に案内してもらっている
「はぁ」
「どうしたんです?溜め息なんかついて」
「いや。ここにはオイルがなさそうだからな。定期的に帰ると思うとため息がな」
「おいる?ああ。変な臭いがして良く燃える液体の事ですか?それなら河童の里に見たことがありますよ」
意外な情報を得た神矢はその事を頭の隅に止めた。もしもの場合はそこに頼るのがうってつけだからだろう
「神矢さん。あそこが天狗の里です」
椛が指差した方向には確かに里があり、その上空を飛び回る人形を視認する事ができた。しかし、
「まだまだあるな」
「神矢さんが飛べれば直ぐにでもつきますよ」
まるで馬鹿にしたような口ぶりに頭に来た神矢は椛の頭を掴み大きく振りかぶった
「ちょ、一体なにするんですくわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
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