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「あの速度で落下していた椛を片手で受け止めるとは、人では無いのう」
いつの間にか入り口の手前に、神矢でさえ見上げるほどの巨体の男が物珍しそうに見ていた
「大天狗様!?」
驚愕の声を挙げた椛は大天狗と呼んだ男に頭を下げた
「椛、客人の前ではその様なコトはせんでも良いと言ってあるだろう」
「その様な大それた事は出来ません」
椛の言い分に大天狗は苦笑を浮かべ、至って警戒もしていない神矢に目を向けた
「随分器の大きい男だな。それとも自信の力を過信しているのか」
挑発とも読み取れるものに神矢は鼻で笑っただけで対し的にもしていなかった
神矢は自分よりも弱い者の喧嘩は一切買った事がなかった。燃料の無駄になるだけだからだ
では何故大天狗は自分よりも弱いと分かったのか。それは神矢の視界の端に大天狗の分析結果が表示されていたから。その結果の中に“殲滅可能”の文字が写っていた
「よう分からん奴だな。儂は大天狗。この幻想郷の天狗を束ねておる」
「俺は大神 神矢。あんたに聞きたいことがある」
「神矢さん!大天狗様に何て聞き方をしているんですか!?」
注意する椛であったが、その声に神矢は何の反応を見せなかった
「そうか。それは儂もじゃ。立ち話もなんじゃ、儂の家に来るが良い」
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