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玄関の扉を開く錆び付いた音でロウファは目が覚めた。
ムクッと起き上がると目をゴシゴシ擦る。
部屋がまだ真っ暗なところを見ると、夜なのだとロウファは理解する。
ロウファ、現在九歳。
ロウファはまだ幼い顔を怒りに満ちさせ自分のベッドから飛び降りた。
そしてスリッパを履くと自分の部屋の扉をゆっくり開き廊下に出る。
木造の家の独特な匂いを胸いっぱいに吸い込んでから歩き出す。
今日は絶対に許さない。
ロウファはギュッと拳をにぎりしめて、廊下を突き進み階段を駆け降りた。
階段の下は玄関になっていて、そこには茶髪で美しい女性と緑髪で少し疲れたような顔をした男がいる。
ロウファの父と母だ。
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