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その頃、ロウファは自室のベッドの上で毛布に頭からすっぽり被っていた。
父親に腹が立って眠れない。
今日、一緒にピクニックに行く約束は昨日の夜、突然舞い込んで来た仕事で打ち切りになった。
父親の話だと、森番の講習会だとか言っていたが、それが嘘だということはロウファにはわかっていた。
父親が必ず朝早く家を出て遠くに行き深夜帰りするときは必ず母親が顔を真っ青にして手を組み必死に拝んでいる。
危険な仕事なのはロウファにも容易に想像できた。
だが、両親は決して何の仕事なのか教えようとはしない。
だから余計に仲間はずれにされているようで腹が立つ。
「ちゃんとした理由も教えないで約束を破るお父さんなんか嫌いだ」
枕をギュッと抱きしめて低い声で言うと目を閉じた。
すると、だんだん頭がぼーとしてきて物事を考えられなくなりロウファはゆっくり闇に落ちて行った。
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