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次の日の朝、ロウファは自分を呼ぶ母親の声で目が覚めた。
眠たげに目をゴシゴシ擦るロウファを見てアリアは困ったような笑顔を浮かべて、ロウファの頭を撫でる。
「おはよう、ネボスケ。朝よ」
「・・・おはよ」
ロウファはふて腐れながら小さな声で挨拶を返す。
「全く、まだ怒ってるの?そんな怒ってばっかだと幸せ逃げちゃうぞー」
アリアはそう言いながらロウファの両方の頬をギュッと掴み左右に引き伸ばす。
「いひゃい!いひゃいっては!!!」
「顔のマッサージしてあげてるのよっ・・・ほら!顔が柔らかくなって笑顔になるでしょ」
アリアに解放された頬は真っ赤に染まりロウファは手で頬を押さえながら呻く。
さっきより不機嫌そうなロウファの顔を見てアリアは取り繕うように笑うと着替えとお弁当の入ったバスケットをロウファに渡した。
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