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出会い
「今日は暴走で帰りが遅くなる。どこも行かないで待ってろよ」
彼氏の拓馬は言った。
あたしは「うん」とだけ頷いてテレビをつける。
「ぢゃぁ行って来る。帰って来たら可愛いがってやるよ。」
そう言って拓馬は特攻服を羽織って
ここをでていった。
…今がチャンスだ…。
早く…早くここから逃げ出さないと…。
拓馬は暴走族
"雷龍"に入っていて今の総長がいなくなると拓馬が総長になる。
出会いは一ヶ月前…。
「俺…冬田さんのこと前から好きだったんだ…。付き合ってくれないかな…」
彼は頬を赤らめ遠慮がちに言った。
顔は整っていて髪型もちゃんとしていて
一瞬にしてカッコイイと思った。
優しそうだしいいかな…と思ったあたしは
うんと頷くと
「あたしで良ければ…よろしくお願いします…」
そう言って少し照れながら頭を下げた。
そう…この時のあたしは
この人がどんな人かも知らずにOKをしちゃったんだ…。
悲劇の始まりとも知らずに…。
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