さよなら

6/21
前へ
/194ページ
次へ
「夏希は、初めから言ってたんだ。これか らでもいいか、って。でも俺、待たなか ったんだ…」 「何を?」 「手をつなぐとか、抱き締めるとか、キス をするとか」 それまで俯いていた力斗が顔をあげ、声を張り上げた。 「お前…!……まさか」 「いや、正解には抱き締めるまでしかでき なかったけど」 「自分のしたこと、分かってるのか?」 「ははっ。力斗に言われたくないけど!… 夏希な、やっぱお前が好きなんだってさ 。俺じゃ、埋められなかった」 「……でも」 「でも?」 「あいつ、俺のこと嫌いって言ったぞ」 「え!嘘?」 「嘘じゃねぇよ…先週の休日にな」
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加