さよなら

9/21
前へ
/194ページ
次へ
「ごめん…!聞くつもりなかったんだけど …。気になっちゃって…。聞かなかった フリしようと思ったんだけど!それも罪 悪感が生まれる気がして」 わたしは、それを一息にしゃべった。 力斗も、俊も何も言わずただ驚いているようだった。 持っているハンドタオルにぎゅっと力を入れた。 「いつから…?」 「少し前に。ドアの近くっぽくて、声がよ く聞こえたから…」 「ってことは!俺のあのこっ恥ずかしい台 詞を…!?」 すると、それまでに黙っていた俊が、乾いた笑いをした。 「別に、お前の気持ちなんか今さら本田に 隠せるもんじゃないだろ」 「な!」 苗字に戻っていることにチクッときた。 けど…
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加