こくはく

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なかなか寝付けない。 気づけば、あのシーンの回想。 付き合えば? …ばか力斗。 力斗とは、もうかれこれ10年近い幼なじみ。わたしが、小学校一年生のときに、力斗が近くのマンションに引っ越してきた。登校班、クラス一緒。そして、なんと小学校一年生から六年生まで、ずっと力斗と同じクラスだった。 そんなこともあって、わたしたちは仲がとても良かった。どっちかと言えば、わたしは女友達と遊んでいるより、力斗と外を走り回っているほうが楽しかった。 中学に上がっても、気付いたら当然のように、一緒に帰るようになった。周りからからかわれても、何故か一緒にいられた。 だって、“幼なじみ”だから。 恥ずかしがる理由がなにひとつなかったし、なにより 「一人で帰るのは危ないし、お前と話すの楽しい」そうやって、純粋に言ってくれる力斗が好きだった。 ――幼なじみ、としてね。
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