こくはく

4/11
前へ
/194ページ
次へ
あれは、中学二年生の終わりだったかな。 わたしは、同じバレー部の先輩に告白をされた。 そのとき、わたしは、特別好きな人がいたわけでもなし、その先輩も嫌いじゃない。断る理由がなかったため、付き合うことにした。 それから、帰りは先輩が家まで送ってくれるようになったので、力斗とは帰らなくなった。 先輩は、バレーの話を沢山してくれた。それはとても興味深いもので、わたしは大人しく聞いていた。部活内では、前よりもちょっとだけ話すようになり、後片付けも一緒に手伝ってくれた。 ただ、それでも先輩は“先輩”で、“彼氏”という感じが全くなかった…正直。 手を繋いでも、デートをしても、恋人とは少し違う気がした。 全く ときめき がなかった。 好きだけど、 “その”好きじゃない…みたいな。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加