愛しい人

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…この人は。 たまに恥ずかし気もなくこういうことをサラっと言う。 その度に私は、どうしようもなくドキドキさせられてしまうのだ。 私は赤い頬を見られぬよう、少し俯いて 髪で顔を隠した。 「そういえば、さっきは窓の方を見てましたけど…何か考え事ですか?」 「えっ、あ、あの…」 言えない。 今まさに、あなたのことを考えていましたなんて。 「あれ…顔、赤いですよ?」 「…っ!!!!;//べっ…別に…」 アレンに顔を覗きこまれ、俯いた私の顔はますます赤くなっていく。 「…((クスッ」 赤く染まっていく私の顔を、アレンの優しい目がとらえる。 ゆっくり近づいてくるその顔に、私はぎゅっと目を瞑ることしかできなくて。 「……;//」 なんだか、いつも私ばかりが動揺させられてるような気がする。 アレンにはそんなことないのかなって思うと、少し落ち込んでしったり。 「……あぁぁぁ――――っ;」 「;!?!?」 隣を見ると、アレンが両手で顔を覆いながら俯いていた。 「あ、アレン;??」 私が声をかけると、俯いていたアレンの顔が少しだけ前をむく。 ―――――――――――あ…… 「……すいません…もっとかっこよくいれたらいいんですけど…」 アレンの目が、恥ずかしそうに私をとらえる。 「………ちょっと…余裕なくて…」 初めて見た、アレンの真っ赤な顔。 そんなアレンに、少し笑ってしまう。 かっこいいアレンも、ちょっと間抜けなアレンも 新しく知る度に、どんどん好きになっていく。 私の、愛しい人。 END
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