ご褒美

2/9
48人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「また私の負けかぁーっ…」 冷たい床の上に散らばるカード。 そのカードを拾い集める、愛しい貴方。 「僕にカードで勝とうなんて、まだまだですよ。」 カードをきる、そんな何気ない仕草にも見とれてしまって。 あぁ、私はこんなにも彼が好きなんだと改めて感じる。 「だってアレン…イカサマしてるんだもん…」 子供みたいに、むぅっと頬を膨らませる。 貴方の気を引きたいが為にやってるだなんて。 そんなこと知ってるくせに、貴方は はいはいと頭を撫でてくれる。 私よりも大きな手。そんな手から彼の温もりが伝わってくるようで、なんだかくすぐったかった。 そんな、優しくて、あったかい貴方が好きだったの。 ねぇ、貴方は今どこにいるの?? きっと、この世界のどこかにいるよね? きっと――――――――――――――― .
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!