ご褒美

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それは、もう二年も前のこと。 夕食を終えた後、灰音とアレンは二人で暇つぶしにカードゲームをしていた。 「も―――――――っ、ちょっとぐらい勝たせてよ――――!!」 「手加減して勝っても嬉しくないでしょ?頑張って僕に勝ってみてください。」 自信気にカードをきるアレン。私はふくれっ面で、その光景を眺める。 …イカサマ、してるくせに… 「もうカードはやめっ!面白くない!」 突然大声を出す私に特に驚きもせず「そうですか?」とアレンは首を傾げた。 「…だって、アレン強いんだもん。」 イカサマしてる人に勝てるわけないでしょ。 とは、とりあえず言わないでおく。 「うーん…何かないかなぁ…」 天井を見ながら次の暇つぶしを考える灰音をアレンはしばらく見つめていたかと思うと、突然灰音の体を抱き抱えた。 「こういうのはどうです?」 そういうとアレンは、軽々と私の体を持ち上げる。 「ほら、高いたかーい((笑」 「ちょ…やめてよ恥ずかしい!!」 誰も見てないとは言え、15歳の女が同年代の男の人にこんなことをされるのは、さすがに恥ずかしすぎる。 私がジタバタするのを見てクスッと笑ったアレンは、そのまま私を膝の上にまたがせて ベッドに腰掛けた。 その表情は、どこか悲しそうで。 「…アレン??」 そんな私の問いかけにも答えず、ただ 貴方は悲しそうに笑ってみせた。 貴方は、悲しくても笑うから。 例え、どんなに辛くても苦しくても そんなふうに、笑ってみせるから。 その度に、私の胸はギュっと締め付けられる。 そんな貴方だから、いつまでも私の心の中から消し去られなくて。
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