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「あいつは?一緒じゃないの?」
「あーうん、何か少し遅くなるって言ってた。」
「ふーん、そうか。」
彼は僕の隣に来て桜の木に腰掛けてタバコを取り出し火を点け、一吹した後言った。
「昔はよく此処で遊んだよなぁ」
「君は美琴のこと苛めてしょっちゅう泣かしてたっけ。」
「ははっ、そうだな。」
「僕は“いっつも”彼女を慰めてた。」
「あっはっはっはっ…;」
「黎人、目が泳いでるんだけど…。
はぁ、全く…慰める僕の身にもなってよね、泣いた美琴を慰めるのは大変だったんだから!」
怒っている僕に彼は笑って誤魔化すと懐かしむ様に言った。
「でも…あの時は楽しかったな~。」
「そうだねー。」
僕もあの頃を思い出して懐かしくなった。
暫く懐かしさに浸っていると、遠くから聞き慣れた声が耳に入ってきた。
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