彼女いるやつって、いない奴にひがまれるよね

3/21
前へ
/121ページ
次へ
「廊下は走るんじゃないぞ?」 「え……あ、はい……」 ……あれ?いつもなら怒鳴るんだけどな……なんだ、あのニヒルな笑い いや……あれ?満面の笑み? ……それはそれは、気持ち悪いものだった。 いつも仏頂面の荒井の表情が、みるみるスマイルになっていく。 ……なんだぁ荒井さーん あんたも美人には甘いんすかぁ? なんか……見損なったっつか なんか……なぁ いつも厳しくて、正論っぽいことばっかり言ってる人がそうだと……なんかなぁ。 ぼーっと荒井の顔を見てたら まずい!目があった! 「おい滝野!!」 「はいぃ!!」 丸井の声が裏返ったってんなら 今の俺の声は、バック転。 もし荒井じゃなかったら、クラスのみんなはクスクス笑ってただろう。 「水原起こしてやれ」 「え……?あ、はい」 あれ?おかしいな……そういや守は 俺の前の席で寝てるっつか……伸びてるけど…… ……荒井は授業始まってるのに、寝てるやつなんかがいたら 煥発いれずに怒鳴り散らす、ハズなんだけどな……
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

129人が本棚に入れています
本棚に追加