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「博士、怒らないでください」
「誰が怒らせていると思ってる」
苛立ちを隠さずに博士は助手をにらめ付けた。
「そうだ博士、タイムマシンがどうかしたんですか?」
これ以上はさすがにまずいと感じた助手は、話題の変更を試みる。
「ああ、その事で起こしにきたのだ。やっとタイムマシンが完成した!」
助手の予想通りに話題が変わり、彼女は一安心した。
「博士が作ったのですか?よく作れましたね…。設計書があったんですか?」
助手が興味を持ちはじめたことに博士は満足しながら、うんうんと頷いている。
「過去に一度だけタイムマシンを使った事があってな。その時に大体の構造を把握して、設計書を書いた」
どこか懐かしむような目で遠くを見つめる博士が言った。
「凄いですね……。で、何処にあるんです?」
「ああ、地下に入れた。百聞は一見にしかず、だ。見にこい」
地下とは、この研究所にある核シェルターのことだ。普段は使わないが、特別な実験や開発をするときに使っているようである。
そう言い残すと、博士は部屋から出ていった。
助手も後を追うべく、着替えた。
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